こともがな、
だけ思い出してスマホで調べてみる。
百人一首の和歌であった。
あらざらむ
この世の外の 思ひ出に
今ひとたびの 逢ふこともがな
訳)
わたしはもうすぐ死んでしまうでしょう。 わたしのあの世への思い出になるように、せめてもう一度だけあなたにお会いしたいものです。
作者は和泉式部という女性歌人で情熱的な恋多き女性であったらしい。
何故、この和歌の「こともがな」だけが頭に浮かんだのだろうか?私も年が明けて既にアラフィフ世代である。まだ、長生きしたいと思う気持ちはあるが「あらざらむ(死んでしまうでしょう)」なんて縁起でもない気がする。ただ、自分もそういう状況になったらもう一度誰かに会いたいと強く思うのだろうか?
ちなみにこの和歌は、後拾遣和歌集 恋 に編まれており、詞書(ことばがき)に「ここち例ならず侍りけること、人のもとにつかはしける」と書かれているそうです。
訳)病気で死の床に就いている時に、心残りを歌に託して男のもとに贈ったということです。
百人一首と言えば、天照大神である八条院暲子様のお父上である鳥羽天皇が詠んだ、
と、ここまで書いて間違わない様にまたスマホで調べてみた。
それがまた、初めて目にした時からなんて気持ちが伝わる良い句だろうと思った和歌なのだが、
瀬をはやみ
岩にせかるる滝川の
われても末に逢はむとぞ思ふ
訳)
流れが速いので岩にせきとめられた滝川が割れても末には合わさるように、あなたと今別れても行末にはきっと逢おうと思うことです。
この和歌を詠んだ方は八条院暲子様のお父上ではなく18歳年の離れた兄上様 崇徳天皇であることが分かりました。
私がこの崇徳天皇の項目を読んだのは因みに今日が初めてですが、何か怖い事が書いてある。
鳥羽天皇の第一皇子。母は中宮・藤原璋子(待賢門院)。譲位後は新院。その後、 平安時代末期の1156年(保元元年)に貴族の内部抗争である保元の乱で後白河天皇に敗れ、讃岐に配流後は讃岐院とも呼ばれた。日本三大怨霊の一人として知られる。(Wikipediaより)
保元の乱で讃岐に配流?
日本三大怨霊って、、、?
ちなみに私の両親は2人とも讃岐(香川県)出身です。
姫様の兄上様が怨霊?(天皇、上皇、院とありますが、このブログでは専ら崇徳様とお呼びします。)
保元の乱を調べてみると、鳥羽上皇が崇徳天皇を叔父子と呼んで忌み嫌っていた事を知り祖父の代からの確執があった事や、死に目にも会わなかった事、その後の保元の乱で崇徳上皇が政敵・後白河天皇の策略で敗北し味方だった公家や武士も実権を失って数百年ぶりの死刑・斬首となった、とか、凄まじいな。
以下、文章をお借りしました。
↓
崇徳上皇は讃岐に配流された後、讃岐国で仏教を心の拠り所とし、五部大乗経(法華経・華厳経・涅槃経・大集経・大品般若経)のお経を書き写しました。そして乱の犠牲者の供養と自らの反省を表すため、「私の代わりに、この写本を京の都に収めてもらえないだろうか」と後白河天皇に頼みます。
しかし、後白河天皇は「呪いがかかっているのでは」という身も蓋もない言い方で写本を受け取りませんでした。これには崇徳上皇も激怒し、舌を噛み切ったその血で国を呪う事を写本に書き足し、亡くなってから怨霊になったと伝えられています。
「日本国の大魔縁となり、皇を取って民とし民を皇となさん」
「この経を魔道に回向(えこう)す」
江戸時代には、物語のネタとして崇徳上皇の怨霊が使われるようになり、怨霊伝説が定着していきました。
(OIRAN TAIKEN. com様より拝借致しました。)
え、崇徳様、
今、どう思われてるの?
と、恐る恐る話しを聞いてみました。
“
わたしの言葉を書いてくれるのか?
わたしは、崇徳である。
何も心遺りはない。
わたしもまた、姫巫女のように
あやかりたく思う。
そうだ、姫巫女、
そなたのように
労わる気持ちを
持ちたいものよ
私の言葉は
それだけだ
あの惨禍
あれは、
我が
見たかった
光景では無いな
わたしは
いつも
愛に
飢えていた
姫巫女
わたしは
そなたを
ずっと
見ていたよ
愛すべき
女人である
言わずもがな
愛すべき
女だ
”
あらら、日本三大怨霊の1人に愛されてしまった。
しかし、何と酷い歴史であろうか?
保元の乱をググって解説動画も見たが、その後に武士の世となり崇徳上皇の呪詛通りになった、との記述も目にした。令和の今の世でも国民が主権であり、天皇は国民の象徴とだけなっているでは無いか。
天照大神であり、八条院暲子様と思われる姫様も、
「妾が最も気にかけていた事なのじゃ」
と仰せになった。
しかし、今になって平安末期にその様な恐ろしい出来事があったなんて知らなかった。
学校で日本史を習ったはずだが、それから30年以上経っているのに、今回「こともがな」から凄まじい連鎖が起きて驚いています。
更新がかなり気ままですが、いつもありがとう。